数年前、「和歌山ラーメン」と言うのがものすごく流行った。
なんで流行ったのか、その理由をはっきりとは知らない。
なんだか、どこそこの番組で、ラーメンを目隠しで食べて
その店を当てるっていうクイズがあって
その優勝者が和歌山の人だったとか。
はたまた、和歌山ラーメンは、とんこつとしょうゆの合わせ具合が絶妙だとか。
(あれ、味噌としょうゆだったかな?この辺りかなり曖昧)
とにかく流行った。
注目されたのだ。
世には和歌山ラーメンと名が付いたカップラーメンが次々と出てきた。
だが何を隠そう
私の人生の中で、一番ラーメンを食べた時期というのが高校時代だ。
和歌山ラーメンが流行り出すはるか前である。
時代を先取りするとはこの事だろう。
もう10年以上も前、夏になるとダニの湧くような
一年中、日の当たらない部屋で一人暮らしをしていたとき
昼はいつも学食でラーメンとライス、
もしくは天そば(あったかいやつ)とライスだった。
学食のメニューは他に、肉うどん、素そば、素うどん、カレーとあったが
なぜかそれらはほとんど食べた記憶がない。
だがその時代、ラーメンを食べた場所は、学食だけでは無かった。
友人のT君の親父に部活が終わってから、
それも夜10時とか11時にラーメン屋に連れて行ってもらったのだ。
そこでいつも頼んでいたのがネギラーメンだった。
「ネギは体にいい」
と洗脳的に親から言われていたのを信じていたからかもしれない。
細長い店内で、壁にはコミック本がぎっしりと並んである。
吉宗城下の和歌山城近くにあるそのラーメン屋では、ずいぶんとごちそうになった。
学食とはひと味違うそのラーメンを食べながらいつも泣いていた。
(うそです)
古きよき時代とはこういうことだと今思う。
「吉宗」と聞いて「ラーメン」を連想してしまうのは、
私ぐらいかもしれない。