7月の完熟南高梅の収穫の時期に、苗専用として保管して置いた南高梅の種。
この種、闇雲に収穫した完熟南高梅の種から取り出したのではなく、良質な苗に成長するであろうものだけをあらかじめ定めて収穫してきます。
その基準として、まず小梅に隣接した南高梅の種であるとこ。
南高梅の受粉には、主にミツバチを利用します。その受粉の特徴として、自家受粉しにくいということがあげられます。つまり、南高梅の花粉どうしでは、実はならないということです。
ある程度、成長した樹であったり、いわゆるよく実をつける高収量の樹は、南高梅の花粉どうしでも実をつけますが、これは完全に別の品種の梅の花粉で受粉した種とは、遺伝子レベルで若干違ってきます。
(南高梅どうしの花粉で受粉して出来た完熟南高梅の種と、南高梅と小梅の花粉で受粉して出来た完熟南高梅の種とは違うということ)
そのため小梅の隣にある、完全に南高梅以外の花粉で実をつけた種だけを集めてくるわけです。
そして、他品種同士の花粉で完全に受粉して出来たものが、苗作りには最高の種になります。
農園の中には、小梅と隣接している南高梅は100本近くありますが、樹勢がよく、毎年、大玉の実を多くつける樹をチェックしておき、その中の3本の樹からなる完熟南高梅の種を取り出していきます。
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