熊野詣の道 
熊野の大自然
熊野の神髄
 熊野に参詣するためには、出発前数日間の精進屋に入っての潔斎、出発後は路次の祓、沿道の王子に奉幣することなどいくつかの宗教的作法が義務づけられていました。なかでも熊野詣に特有なのが、各王子への奉幣です。俗に九十九王子といわれ、その社は時代とともに栄枯盛衰を繰り返してきました。また「梁塵秘抄」によれば、王子とは熊野権現の分身だと記されています。人々が難路を歩みながら、熊野権現の加護を実感できる場所であった王子を紹介していきます(^^)/。各王子の画像をクリックすると大きくなるよ(^^)/
三鍋王子
万呂王子
不寝王子
大門王子
十丈王子
大坂本王子
比曽原王子
継桜王子
中の川王子
小広王子
熊瀬王子
岩神王子
湯川王子
猪鼻王子
発心門王子
水呑王子
伏拝王子
祓戸王子
湯ノ峰王子
浜王子
佐野王子
浜の宮王子
滝尻王子

 ここ滝尻王子は富田川と石船川が合流する地点にあります。天仁二年(1109)に熊野参詣をした藤原宗忠は、十月二十三日に水を浴びて御祓をし、この王子に参拝しています。
 日記には「御山のうちに入る」とあることから、滝尻から熊野の霊域とされていたことが分かります。

 建保五年(1217)の後鳥羽上皇と修明門院の参詣の際には、両院が馴子舞に興じているように、いろいろな芸能が催されていました。
 後にも藤原定家や後鳥羽上皇がここで歌会を開いており、正治二年(1200)年の歌会に参加した十一名分のものが今も残されています。

 鎌倉以降、熊野の御子神御所を祀る五体王子の一つとされ、室町時代もそのように呼ばれていましたが、三栖から潮見峠越えで栗栖川へ通じる道が多く利用されるようになると衰退していきました。
 明治には村内の十郷神社に合祀されましたが、現在は滝尻王子宮十郷神社と称されています。

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