四日目は76kmというロングステージ。一番の山場だった。

昨日の夜はなぜかほとんど眠れず、ようやく寝付けたのが朝方、2時間ぐらいの睡眠で四日目を迎えた。三日間で100kmも砂漠を走り、わずか二時間の睡眠でまた76kmも走らなければいけないと思うとさすがにきつかった。

  正直僕は三日目までは、ほかのランナーよりかなり元気があった。しかし、昨日の20kmの砂丘ごえで途中からマルコにも置いていかれ、その日の順位も110位と少し落としたことから少しへこんでいた。

かなりの放心状態(笑)。撮られたことにさえ気づかなかった。
  はじめにも話したがレース中は一日目以外全く写真をとらなかった。カメラを取り出し写す時間さえももったいないと思ったからだ。

  レース中、僕を撮ってくれたのは日本からのスタッフの人だった。自分の写真のこうやって撮ってくれるのは記念になりとても嬉しかった。

 コース上には、カスバをが設定されていた。

 神秘的だったが、ロバに乗った子供がいきなり怒ったようにしゃべりかけてきてかなり不気味だった。

    四日目も実はマルコと一緒に走った。76kmのロングステージだったが絶対に止まらないで行こうと話していた。はじめの30kmはかなり調子がよく50位くらいだったと思う。途中、イギリス人でリビアの大使館にいるという人と一緒に走った。

   三日目までの30km前後のコースだと前後に人がまばらながら常にいるのだが、四日目には、ほとんどいなかった。残り、20kmになって夕暮れに近づいたころチェックポイントで発光スティック(よくコンサートなんかで使うやつ)をもらった。これを荷物にぶら下げて走るのだ

   ラスト20kmには完全に真っ暗になった。前後を見ると果てしなく遠くのほうで各自荷物につらさげている発光スティックがゆらゆらとゆれている。今考えるととても神秘的な光景だかそのときの僕には早くゴールすることしかなかった。この日は途中からマルコとそのイギリス人に「先に行く」といって飛び出し、ラスト20kmは一人だった。サハラ砂漠で一人、遥か前にある光だけを頼りに走った。